今やもうSNSは生活の一部となり、友人や家族との連絡や日常の共有が当たり前のことになっています。
とはいえ、SNSを使う中で他人と自分を無意識に比較してしまって劣等感や嫉妬を感じることはありませんか?
そうした感情が積み重なると、「SNS疲れ」と呼ばれる心の疲労が生まれることがあります。
本記事では、元SNS10時間ユーザーの僕(SNS疲れマックス!)がSNS疲れの原因とその解決策について、わかりやすくシェアしていきます。
今回は面白い論文があったのでそれをベースに解説していこうと思います。
SNS疲れとは?
SNS疲れとは
SNSやメッセンジャーアプリなどでのコミュニケーションによる気疲れ。長時間の利用に伴う精神的・身体的疲労のほか、自身の発言に対する反応を過剰に気にしたり、知人の発言に返答することに義務感を感じたり、企業などのSNSで見られる不特定多数の利用者からの否定的な発言や暴言に気を病んだりすることを指す。
weblio辞書より
SNS疲れの意味は上記の内容なんですが、実は最近SNS疲れについてちょっと面白い論文を見つけました。
論文:稲塚葉子, & 前川千咲. (2023). 能動的・受動的 SNS 疲れと無気力感の関連について: SNS 利用時間に着目して.
この論文ではSNS疲れを2つの側面に分けています。
- 能動的SNS疲れ:自分がSNSに投稿したり、他人からの評価を気にすることによって生じる疲れ。
- 受動的SNS疲れ:他人の投稿を見て感じる劣等感や嫉妬、または投稿を読まなければならないという義務感から生じる疲れ。
上記の2種類のSNS疲れのうち、受動的SNS疲れに嫉妬や劣等感が含まれているというのが興味深いポイントです。
SNSで発信するアクティブユーザーだけがSNS疲れを感じるのではなく、「投稿はしない見る専門」の場合は嫉妬や劣等感を感じてSNS疲れが生じるということです。
自分がどちらのSNS疲れを感じているのかがわかれば、解決方法も見えてきます。
あなたは 受動的SNS疲れに当てはまる?
受動的SNS疲れに当てはまる質問項目は以下の通り。
下位尺度 | 項目 |
---|---|
劣等感 | 1)他人の日常に関する記事・発言を見て嫉妬することがある |
2)他人の記事・発言を見ると劣等感を感じることがある | |
3)他人の投稿から自分の日常と比較することがある | |
4)他人が別の人と楽しそうに話しているのを見て嫉妬することがある | |
5)他人のSNSでのつながり人数が気になる | |
義務感 | 6)投稿された記事や発言を読まないといけないという義務を感じる |
7)他人の投稿に更新がないと苛立つ | |
8)自分も投稿しなければならないという義務を感じる | |
9)投稿に対して返信しなければならない気がする | |
情緒不安定 | 10)誹謗中傷の投稿や発言を見ると気が滅入る |
11)他人のネガティブな投稿を見て気が滅入る |
11項目のそれぞれにおいて、どれくらい感じるか?を1点~4点で評価していきます。
得点が高いほど受動的SNS疲れ状態ということです。
大衆化されたなんちゃって心理テストではなく学術研究による尺度であるため、〇点以上から受動的SNS疲れ状態であるといった明確な定義があるわけではありません。
ただ、この研究の劣等感の数値だけでいえば、
- SNS利用時間が1時間未満の低群=劣等感の平均得点は1.73点
- SNS利用時間が1時間以上3時間未満の中群=劣等感の平均得点は2.15点
- SNS利用時間が3時間以上の高群=劣等感の平均得点は2.23点
という結果です。低群を健康的な群と定義した場合、劣等感をはかる項目の1)~5)の平均得点が低群の平均得点1.73に近ければまあまあ健康的と判断して良いかなと思います。
※いろいろと説明を割愛しているのであくまでも参考程度に!
受動的SNS疲れの中でも「劣等感」が強い人ほど無気力感を抱く

SNSに疲れてしまった時に、
- 私は⾃分がつまらない⼈間のように感じる
- 私の未来には希望が持てないと感じる
- ⽇々の⽣活で体がだるいと感じている
- 私は本当に困ったときに助けてくれる⼈がいない
といった気持ちを抱くことがあるんじゃないかなと思います。
論文ではこの状態を「無気力感」と定義して、劣等感との関係を調査しています。
論文では、SNS疲れには様々な要因があるけども、無気力感をもっとも促進するのが劣等感であると指摘されています。
つまり、SNSで嫉妬や劣等感を感じてるのであればどうにかしないとかなりヤバイ状況ということです。
単純に「SNS疲れたなー」だけにとどまらず、リアルの日常にまで良くない影響が出始めるということですね。
ぼくはこれ、ものすごく身に覚えがあります。
特に
- ⾃分がつまらない⼈間のように感じる
- ⽇々の⽣活で体がだるいと感じている
この2つ!
仕事がだるく感じてやる気が出ないし、休日も動くのもだるくてずっとベッドの上でダラダラSNS…みたいな時期が一時期あったのですが、受動的SNS疲れ状態になってたんだな…と。
嫉妬や劣等感は思っている以上に体に良くないってことですね。
劣等感や嫉妬からくるSNS疲れの対策

劣等感や嫉妬からくるSNS疲れを軽減するための対策は、以下の5つです。
- SNSの利用時間を制限する
- 情報の取捨選択を意識する
- 自己肯定感を高める
- SNSとの距離を取る
- 自分のペースでSNSを楽しむ
SNSの利用時間を制限する

SNS疲れの原因の一つに「長時間の利用」があることは確かです。
論文内だとこんな感じ。
SNS利用が1時間未満の人:日々をやる気を持って生きている
SNS利用が1時間以上の人:「私は⾃分がつまらない⼈間のように感じる」とか「⽇々の⽣活で体がだるいと感じている」とか「私を本当に理解してくれる⼈は少ないと思う」みたいな疲労感や不満足感などを多かれ少なかれ抱えている
SNSの利用時間が短い人ほど、劣等感や無気力感を感じにくい傾向にあるのに対し、
SNSを見続けることは他人との比較し続けることにもなり、これは上記でも解説したように劣等感が強まることにつながります。
論文をもとに考えるなら、SNSの利用時間が1日1時間以内か以上か?というのは嫉妬や劣等感をコントロールする上で重要な基準であるのかも…とも感じます。
嫉妬の感情を抱くとその対象を追いかけてしまう…みたいなのってよくありませんか?(僕はありました)
SNSを見ていて「羨ましい」と感じた瞬間にSNSを閉じることができれば、負の感情スパイラルに陥ることもなくなるなと思うので。
情報の取捨選択を意識する

ネガティブな情報や自分を不安にさせるような情報に対して過剰に反応しないことが重要かなと思います。
自分にとって本当に必要な情報だけを選び、それ以外の投稿はあえて見ないようにすることで、心の負担を減らすことができるはず。
下記記事では具体的なSNSとの付き合い方を解説しているので参考になるかも。
自己肯定感を高める

劣等感を感じやすい人は、自己肯定感が低下していることが多いです。
他人と比較するのではなく、自分自身の価値に目を向けることが重要です。
(自己肯定感が低下している状態で自分に目を向けるのはかなり難しいとは思うんですが…。)
例えば、毎日少しでも「自分の良かったところ」を見つけるようにする習慣をつけることで、自己肯定感を高めることができます。
これにより、SNS上で他人と比較しても、劣等感を感じにくくなります。
ちなみに僕は自己肯定感を高めるため(&SNS断ちするため)に筋トレを推してます。
「毎日少しでも「自分の良かったところ」を見つけるようにする習慣をつける」とかしなくても勝手に自己肯定感がアガるのでマジでおすすめです。
》運動でSNS断ちするとなぜ後悔しないのか?「SNSから物理的に離れる×運動する」が最強の理由
SNSとの距離を取る

SNSは便利なツールですが、当たり前だけど必ずしも毎日使い続ける必要はないですよね。
例えば、週に1日は「デジタルデトックス」を実践し、SNSやスマートフォンから離れてみると、心がリフレッシュされます。
上手く距離を取れればSNS疲れを防ぎつつ、リアルな世界での時間を大切にすることができます。
ただ、適切な距離を取るというのはなかなか難しいです。
》元SNS10時間ユーザーの僕がSNSから離れるためにしたこと6つ
》SNSに吸い取られていた時間をリアルに使うようになって実現したこと
自分のペースでSNSを楽しむ

実はSNSって他人のペースに合わせる必要はないんですよね。SNSは自分のためのツールです。
他人の投稿に反応したり、毎日投稿しなければならない!というプレッシャーを感じることなく、自分のペースで利用することが大切です。
それができれば苦労しないよ…って感じですが。
僕はいろいろ考えて行動もした結果、一度SNSは全部やめるという選択肢を取っています。
僕が上手いことハマったのはジムに通うことでしたが、それでしばらくSNSから離れられるようになって、今は自分のペースでSNSができる状態になりました。
自分のペースってどんなだろ?と悩んでる方は下記の記事も参考になるかもしれません。
》SNSやめたい!しんどい…僕がSNSから離れるためにしたこと
》「SNSめんどくさい…」「SNS苦手…」SNS嫌いがSNSとうまく付き合う方法
まとめ 劣等感や嫉妬でSNS疲れを感じた時の原因と解決方法

今回参考にした論文は紀要論文なので研究結果の解釈には注意が必要です。
とはいえ、なんとなくで物事を解釈するのに比べたらみなさんの参考になる記事になったのではないかなと思います。
SNS断ちを考えているなら下記の記事も参考にしてください。
おすすめのSNS断ちの方法からSNS断ちする時のよくある失敗、それにつまづかない方法まで丁寧に解説しています。